費仲興氏:834人の南京大虐殺犠牲者に氏名を確認

2014-12-08 16:10:46
新華網日本語より

 【新華社南京12月8日】2004年「ユダヤ人大虐殺犠牲者氏名中央データベース」の開設以降、これを利用してナチスに虐殺された約300万人の犠牲者氏名及びその出身地、職業、配偶者、殺害場所、さらには犠牲者の経歴を検索できるようになった。

 この話題に触れる度に、費仲興さんの心中は特別な感慨で一杯になる。南京の30万人の犠牲した同胞は、一体、何時になれば彼らの人生を復元できるのだろうか。

 費仲興さんは2004年に、定年した後、南京師範大学に特別基金の資金援助を申請し、3年間に及ぶ湯山地区の3つの鎮、90余りの自然村への取材を開始した。

 費仲興さんは振り返り、次のように述べた。取材した老人たちの多くは当時、十歳すぎの子供だった。彼らは1937年の冬から1938年の春にかけて「跑反」(避難)を体験し、旧日本軍が家を焼き人を殺し、財産を略奪する残忍な光景を目撃した人もいる。現在、高齢になった彼らは、自分の家族、一族、顔見知りの人が亡くなった様子を断続的に陳述し、湯山の歴史の最も黒暗で、最も恐ろしい1ページを開いた。

 郊外での調査は十分に骨が折れるものだったが、3年余りの調査で、費仲興さんは350人の現地の老人を訪問し、大量の資料を記録した。南京師範大学、南京理工大学の教員と学生及び一部のメディアの援助を得て、費仲興さんは計834人の犠牲者の氏名を整理した。2008年に、執筆した『城東生死劫』が出版され、生存者の証言と834人の名簿が同書の付録として添えられた。

 侵華日軍南京大屠殺遇難同胞記念館の朱成山館長は、次のように述べた。犠牲者名簿の収集は、南京大虐殺歴史研究の重要課題だ。年代が遥か昔で、戦乱などの多くの原因によって、作業は難航した。現在、相次いで収集された1万人余りの犠牲者氏名は、主に戦後初期の南京市抗戦損失調査委員会、南京大屠殺案敵人罪行調査委員会の調査及び新中国成立以降の各時期における生存者の口頭の証言、出版された各種史料などから提供された。

 費仲興さんのような多くの人が現在も尚、継続的に檔案の研究を行い、実地調査を展開し、犠牲者の氏名と経歴を探し出し、復元することを試みている。侵華日軍南京大屠殺遇難同胞記念館も一貫して遺族による登録などの多くのルートから手がかりを集めてきた。

  「第二次世界大戦の終戦後、ユダヤ人は直ちに犠牲者の資料に対する調査を開始した。我々は1980年代になってやっと南京大虐殺の研究を全面的に展開した。着手するのが遅すぎた。」と費仲興さんは語った。

(新華網日本語)

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